台風のくれたもの。

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もう一週間近く経ちますが、またまた台風の話。
今回の台風18号は、私にとっては屋久島で経験する初の台風であり、周りにもここの台風の威力の恐ろしさを聞かされていましたので、それはそれは、まるで洗礼を受けるような気持ちで臨みました。

空の色はだんだんと鉛のような色になり、木々は揺さぶられ、台風の前独特の気配の中、食材を買い出しに行ったり、庭のものを飛ばないように片付けたりして備えます。
いよいよ屋久島付近への通過が間近になるにつれ、なにか、いつもとは全く違う精神状態になっている自分に気づきました。
外の激しい音とは逆に、自分の心はどんどん静かになっていきます。ただ感じるままに内側を見つめて、気がついたら眠りに落ちたくさんの不思議な夢を見、また起きてただ内側の静かな感覚を味わっていたら、やがて台風は去っていきました。
最初に「洗礼を受けるような」と書きましたが、まさに洗い清められ生まれ変わるような、そんな神聖な気持ち・・・。

この感覚は最近味わった事がある、、と思い出してみると、皆既日食の時に感じた状態と似ていました。

日食も、一度太陽が消え、再生するというリセットのような星の動きがあり、その日は曇りで自分の視覚ではそれが見えませんでしたが、その時間を生で体験したことによって、内面に深く響く神聖な感動があり、確かに何かがリセットされたような不思議な気持ちが起こりました。
その時ははっきりとそれが何かはわからなかったけれど、後になって見てみれば、日食を境に、明らかにものごとのとらえ方感じ方に変化が起こっていました。
それは自分だけでなく、周りの人たちにも、自然環境にも起こっていました。

今回の台風18号も、巨大掃除機で日本列島を一掃するような形で起こりました。
目に見える被害があるなしにかかわらず、明らかに大きな影響を及ぼして行ったと感じています。
嵐の中の停電という出来事は、内側の静かな感覚を味わう、最高の贅沢な時間とたくさんのインスピレーションを与えてくれました。
そして、台風が去った後の海に落ちる夕陽は、それはもう、今までに見た事のない美しい光景でした。

台風後に行った白谷雲水峡も、本当に素晴らしく楽しい森でした。
今まで上の方にあって見えなかった物が、地面いっぱいに散らばっているのです。
普段は、時が来るまで地面には落ちて来ない葉っぱや実が、木の上にあったままの形で手に取って見る事ができる、それはもう本当に心躍る事でした。
私たちの目線のちょっと上ではこんな世界が展開していたのか、という感動。
大げさに言えばそれは、「天が降りて来た!」という感覚です。
同じことを感じているのかいないのか(笑)、生き物達もなにかいつもと違うテンションで私たちの目の前にたくさん現れてくれました。

静かに自分の内側を見つめる時間を与えてもらい、森では普段見る事のできないものを見せてもらい。
巨大掃除機のおかげで空気だけでなく、いろんなものがクリアになったようです。
屋久島で初めて経験する台風で大いなるプレゼントをいただいた気持ちです。感謝。
(写真は台風後の森に落ちていた物の一部。一つ一つを並べてみる。)
by office-manatsu | 2009-10-12 13:52 | 旧スタッフ
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