春のかさね。

c0061008_1618876.jpg

若苗(わかなえ)、柳(やなぎ)、青丹(あおに)、萌黄(もえぎ)、松葉(まつば)、老竹(おいたけ)、山葵(わさび)、裏葉柳(うらはやなぎ)、苔(こけ)、常磐(ときわ)、夏虫(なつむし)、木賊(とくさ)、翡翠(ひすい)・・・などなど。

これらの名前を見て、頭の中にどんなものが浮かぶでしょうか。
これは、日本に昔から伝わる伝統色のうち、緑色系統につけられたそれぞれの色の名前です。

すべて自然の中にあるものから名前がつけられていますが、緑色系統だけで何十色もあり、日本人が四季の巡りの中でどれだけ繊細に自然を見つめてきたかが、ここに現れています。

たとえば、裏葉柳とは、柳の葉っぱの裏側の色の事。
柳の葉を手に取り、表と裏を見比べて「いとをかし!」と言ったかどうかは知りませんが(笑)、色の美しさに感じ入っているその表情まで目に浮かび、そんな感性に「いとをかし!」です。

また、昔の人々は、着物の裏と表や、襟元や袖口、裾などから覗かせる布地に、季節ごとの花の彩りや木の葉の色合いなどになぞらえて「かさね」と呼ぶ季節の配色を楽しんだそうです。

たとえば「若草」というかさねは、淡青(うすあお)と濃青(こきあお)の組み合わせ、「桜萌黄」というかさねは、萌黄(もえぎ)と赤花(あかばな)の組み合わせ、
などなど、配色そのものにも名前をつけ、繊細に着こなすのが、当時のモード最先端だったのでしょう。

「かさね」の参照↓
かさねの色目一覧〜春のかさね
c0061008_1617158.jpg

c0061008_16153520.jpg

いま、屋久島の山肌はまさに「春のかさね」の色世界が繰り広げられています。

そこには「緑」と一言では言い切れない様々な緑色があります。
薄い緑から濃い緑、赤味がかった緑、黄味がかった緑、青味がかった緑。
それら多彩な緑のモコモコに混じってサクラツツジの薄ピンクやクロバイの白、スダジイの黄色の花などがあちらこちらに彩りを添えます。
c0061008_16122963.jpg

現代の、そして屋久島の、春のかさね。
日に日に移ろい行く自然の色を、自分の好みに配色してかさねの名前をつけ、生活や服装に取り入れてみるのも、いとをかし、で楽しいかもしれませんね。
by office-manatsu | 2010-04-13 15:53 | 旧スタッフ
<< 縄文杉一泊二日トレッキングキャ... 今春最後の大雪?! >>