落ちた花から広がる世界。

最近屋久島では、外国人旅行者の姿をよく見かけます。
オフィスまなつでも4月は外国人のお客様のツアー参加が多く、私も何組かご案内させていただきました。

その中でのある一組をお連れした時のこと。
参加者の方はオーストラリアとデンマークの出身で、日本語は全くわからない人たちでしたが、日本人の通訳さんが間に入ってくださっていたので、私もなんとかコミュニケーションをとることができました。

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その日は雨の翌日で、しっとりと湿った苔の上に、たくさんのリンゴツバキの花が落ちていました。

花の赤、苔の深い緑。
その色彩のコントラストと、花の無造作に散らばる様子が息を呑むほど美しく、お客様にそれを指し示したところ、反応がいまいち・・・。

通訳さんはすかさず私に耳打ちしてくれました。
「こういう侘び寂びの感覚があまりわからないのです。」と。

なるほど〜。侘び寂び!
花といえば、咲いている状態を愛でるのが普通で、落ちているものは鑑賞の対象にはならない。と。

ひとりひとり感性が違うので、「外国人」「日本人」とひとくくりにしてしまうのは、大変乱暴なのですが、やっぱり文化が違えば、ものの見え方感じ方も違うのですね。
自分には当たり前になってしまっていた感覚を、改めて見直す良い機会になりました。

いま屋久島の森の中は、他にもサクラツツジやヒカゲツツジ、ハイノキなどの花があちこちで咲くと同時に、足元にもたくさん落ちています。

そのツアーでも、その後もいろいろな花びらが落ちていて、私が紹介すると手に取ったり写真を撮ったりしていましたが、一体どんな風に彼らの眼には映ったのでしょうか。
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私が英語がペラペラだったとしたら、一体どんな風に侘び寂びを説明するかしら・・・と考えてみましたが、やっぱりこればかりは言葉でそのものを伝えられるものではなく、過去未来も含んだその場の空気感などが、受け取る側の感性にピタッとはまった時、直接伝わるのだろうなあと感じました。

ものの感じ方は本当に十人十色。
同じものを見ても、私の感じ方と相手の感じ方は違って、その違いがまたとてもステキだと思うのです。
そういう違いがこうして多種多彩な文化や表現を生んできたのですね。

ガイドは主に言葉を介して自然を伝えますが、そこで伝わる事ってほんの一部で、その何十倍、何百倍のものが受け取る人の心に自然から直接伝わっているのだろうな、と思うと、そこから広がる果てしない世界を感じてワクワクします。
by office-manatsu | 2010-04-27 17:52 | 旧スタッフ
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