屋久杉原生林についての大ビジョンを

先日、観光協会の方から1/30に行われる利用調整についての意見交換会のお知らせが届きました。

昨年11/18に素案が固まった「屋久島町エコツーリズム推進全体構想」は、12月の屋久島町定例町議会に提案されることになっていたのですが、今現在まだ提案されていません。少しヤキモキして、屋久島町環境政策課に問い合わしたら
・罰則規定の整合に手間取っている。
・利用調整の例外規定(学生による研修や教育を目的とした旅行については、別途屋久島町が調整できるものとする)の見直し調整をしている為という回答でした。
とはいえ、いずれ提案され決議されるでしょう。

どう判断されるかは別として、意見交換会前にこの議論で指摘しておきたい自分なりの意見を少し書いておきたいと思います。

c0061008_16311668.jpg
この一連の議論で強く感じることは、縄文杉ルートなどの屋久杉原生林をどのように町全体として評価し、位置づけていくかという大きなビジョンをまだ持ち得ていないことが大きな原因のような気がしています。
それがない為に立ち位置の違いから来る議論だけが飛び交い、集約された方向性が打ち出せていない状況にあるのではないでしょうか?。

屋久島町の大きな指針に屋久島憲章があります。
それには、条文1で「わたくしたちは、島づくりの指標として、いつでもどこでもおいしい水が飲め、人々が感動を得られるような、水環境の保全と創造につとめ、そのことによって屋久島の価値を問いつづけます。」とありますが、屋久杉原生林については、しっかりとした表記はありません。

条文3 に 「わたくしたちは、歴史と伝統を大切にし、自然資源と環境の恵みを活かし、その価値を損なうことのない、永続できる島づくりを進めます。」とありますが、条文1のような具体的なビジョンが湧きません。

ましてや「屋久島町エコツーリズム推進全体構想」素案にも屋久杉原生林についての利活用の歴史は述べられていますが、評価、位置づけ、ビジョンなどはありません。

それは、このような利用調整問題などを経験することによって培われてくるものかもしれませんが、屋久島は以前ヤクスギの大量伐採という大きな経験を積んでいるのですし、もうしっかりした大ビジョンからくるいろいろな政策が行われても良いのではないでしょうか?

基本的に原生の森で人は暮らしていけないのだと思います。その周辺で畏敬の念を持ちながら原生と関わることしかできないということを肝に銘じることからスタートすべきだと思います。決して原生林の中に入ってはいけないと言っているのではありません。それをしっかり理解しようとする方向性が大切だと思っています。
c0061008_1632279.jpg
ゴールデンウィークなどの連休で人が多いと、良く奈良の大仏での観光を思い出します。
縄文杉もそのような観光で良いのではないか?と思ったりもしますが、やはり違います。
沢山の人が参拝する目的のものと本来人の気配のない森で佇んでいた巨木とでは観せ方が違ってきて当たり前です。

今問われているのは、屋久島側から「屋久杉原生林を観光客の方にどのように観てもらうか?」という屋久島側の姿勢なのだと思います。 正念場です。
by office-manatsu | 2011-01-26 17:00 | 真津 昭夫
<< 屋久島ありがとう! 屋久島の冬は意外と寒いですよ! >>