「生物と無生物のあいだ」、「ダライ・ラマ科学への旅」
1、2月は、私たちガイドにとって(ボチボチ仕事はあるものの)基本的にオフシーズンで、充電期間です。
長期の旅行に行く人、日頃できない勉強、趣味に勤しむ人、各々の時間をエンジョイしているみたいです。 私も諸々のデスクワークに追われつつも積ん読の本を少しずつ消化しています。 そんな中、福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」、ダライ・ラマ著「ダライ・ラマ科学への旅」という2冊を読み終えました。 前者は、分子生物学者、福岡伸一さんの「生命とは、何か?」という問いを科学的+詩的に解説したベストセラーです。分子レベルからみた生命体の有り様やなかなか取っ付きにくいDNAの説明なども具体的でとても理解しやすい本でした。 後者は、チベット民族の国家的、精神的指導者の地位にあるダライ・ラマ14世がチベット仏教の思想、生命観、倫理観と現代科学の成果を検証した、自然をホリスティックに理解できる本でした。 面白かったのは、チベット仏教にとって生物とは、人や動物などの心の働きを持つものを指し、植物は除外されているみたいです。 これは、仏教の最大の関心事が苦しみを取り除き、幸福を追求することによるからだそうです。 現代科学の関心事「生物と無生物のあいだ」と違い、仏教では、「心(意識)の有無、認識」が問題とされるみたいです。 その他にも「相対性理論、量子物理学と仏教の空」「進化論と業(カルマ)」「遺伝学と倫理」など科学と仏教のコラボレーションが試みられていて、私的にはとてもお薦めの本でした。
by office-manatsu
| 2008-02-04 17:04
| 真津 昭夫
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