2006年 09月 07日 ( 1 )

あこがれの場所

ずっと思い描いていた場所に自分が立った瞬間は、どんな気持ちだろう。

ずっと心の中で行きたいと思っていた場所に、
つい先日行くことが出来た。

以前、山に何十年も従事している方からお話を聞くことができた。
その方は山で不思議な体験をしたことがないかとの質問に、
「私は、お化けとか、精霊とか、山の神とか、そいうったたぐいにはうといので・・・」
と言葉をにごしながら怪奇現象や心霊体験をやんわりと否定した。
でも、最後に、
「私はカミとか精霊とか信じませんけれども、もしカミがいるとして、
いるとしたら、屋久島のカミは石塚山にいるんではないかと思うのです。」
とおっしゃった。

それ以来、私は石塚山という場所に惹かれ始めていた。

地図を広げてみると、黒味岳から翁、宮之浦、永田岳の連なる屋久島の中央部分を一望できる位置にある。

数ヶ月間、
「カミは石塚山にいる」という言葉が私の中に反芻していた。
そうやって物事は思い続けていると、
ころりとそういう機会に巡り合わせるので本当に不思議でならないのだけれど、
石塚山に行かせてもらえることになった。しかも1泊2日で。

あまりに思い入れが強かったせいか、自分がその場所に立っているときはあまり実感がなかった。
ましてやそこに「カミ」の存在を確かめる術も私は持ち合わせていない。

ただ、神々しいばかりの太陽が山々を照らす。360度ぐるりと山。
遠くに海。海の先に大隅半島が見える。天気の良い日だった。

ただ、石塚の山頂の大きな石が、私の足の下にあり、
やんわりと私を押し上げてくれている感覚がじわーっと沸いてきて、
体中に力がみなぎる感じだった。

想い続けていた場所、人、ものに出会ったりすると
その対象物自体が自分の中に経験としてゆっくりと沈殿していく。
その経験が蓄積されて、たくさんの思い出を抱えて人は生きていくのだろう。

石塚山の記憶が、おなかの下のあたりで沈殿して、成熟した頃に、
また私はその地を踏みたいと思うのです。

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by office-manatsu | 2006-09-07 15:48